権力者には広い視野が求められる。

台風すごかったですね。。風の音が凄まじかった。。ほとんど家で過ごしたので、体感はそれほどしていないのですが・・・。

唐突ですが、今日は競馬の話です。

私、中学生頃に「ダービースタリオン」という競馬ゲームにはまった影響で、競馬に興味をもつようになりました。今では、友人とPOG(ペーパーオーナーゲーム:自分で馬を何頭か選び、その馬がダービーまでに獲得した賞金総額を争うゲーム)をしています。

馬券を買うことは殆どなく、ただただ、馬の血統や所属する厩舎などから活躍する馬を選ぶというのが楽しくてやっています。もちろん選んだ馬が活躍したときはかなり嬉しいです。

さて、最近初めて競馬関係の本を読みました。たまたま藤田騎手がテレビ番組に出ていてそのトークが面白かったことから、この本に出会うことができました。

読んだ本はこちら↓

読んで驚いたのは、以前と比べて競馬が盛り上がっていないという事実。データを用いて説明をしてくれているのですが、例えば競馬の売上はナリタブライアンが三冠達成した1994年頃は、4兆円ほどあったのが現在は2兆5000億円ぐらいになってしまっていることや、JRA所属騎手の数もここ30年ぐらいの間で半分ぐらいに減ってしまっているということでした。それに加えて、馬主の数や生産牧場の数も右肩下がりみたいです。

地方競馬は厳しいというのはなんとなく感じていましたが、中央競馬も下降線をたどっていることを認識ました。

この事実を踏まえて、著者の藤田騎手は、騎手が騎乗する馬を決めるまでの仕組みが変わったことが、競馬会をダメにしているという主張をしています。この主張は興味深かったです。

具体的には、昔は、騎手が自分で厩舎をまわって営業することで、厩舎や馬主と良好な関係を築いていたそうです。その関係の中で、馬主や厩舎が騎手を育てていく雰囲気があった。しかし、エージェント制度(騎手の代わりにエージェントが厩舎をまわって、騎手の乗る馬を決めていく制度)が導入されてから、騎手は厩舎や馬主と関わることが少なくなった。

この結果、強い馬をもっている馬主とつながっているエージェントと契約できるかどうかが強い馬に乗れるかどうかを決めるようになった。すると、力をもつエージェントと契約できるのは一部の騎手に限られてくるので、若手騎手は、強い馬に乗ることができずになかなかうまくいかない(若くして引退せざるを得ない人も)。一方で、力のもつエージェントと契約できる一部の騎手だけが、勝ちを増やしていく。

なんとなく、普段の競馬をみていると、有力馬には○○騎手や△△騎手がよくのっているなぁと毎回思っていましたが、こういう仕組みだったんですね。因みに藤田騎手は、武豊騎手が勝てなくなったのも、このエージェント制度が関係していると言っています。素人目には、武豊騎手が勝てなくなったのは、年齢による衰えなのかなぁと思っていましたが、そういうことではないようです。

ではなぜこのようなことになってしまったのか。。藤田騎手は、JRAにこの責任があるといいます。なぜなら、JRAがシステムを作っているから。

実態として競馬会が盛り下がっているという事実が出ているのに、JRAはなにを考えているんだろうかと思い、少しJRAという組織がどういう組織かを調べてみました。

日本中央競馬会(にほんちゅうおうけいばかい)は、競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため、競馬法(昭和23年法律第158号)により競馬を行う団体として設立される法人である(日本中央競馬会法第1条・第2条、日本中央競馬会定款第1条・第2条)。競馬法に規定する中央競馬を開催するとともに競走馬の育成や騎手の養成などを行い、中央競馬を開催する競馬場・トレーニングセンター・競走馬の育成場などの施設を保有する。農林水産大臣の監督を受け(日本中央競馬会法第31条、日本中央競馬会定款第1条・第2条)、政府が資本金の全額を出資する特殊法人である(日本中央競馬会法第4条、日本中央競馬会定款第4条)「Wikipediaより」

難しいところは、さておき、JRAは農林水産省が監督している組織で、政府が資本金の全額を出資する特殊法人ということは、JRAで働いている人は公務員に近い感じなんですかね。

そしてJRAの役員については、Wikipediaには以下のように書かれていました。

・日本中央競馬会には役員として理事長(1人)、副理事長(1人)、理事(10人以内)、監事(3人以内)が置かれる(日本中央競馬会法第9条、日本中央競馬会定款第7条)。
・理事長は農林水産大臣が任命する(日本中央競馬会法第11条第1項、日本中央競馬会定款第8条第1項)。理事長は競馬会を代表するとともに業務を総理する(日本中央競馬会法第10条第1項、日本中央競馬会定款第9条第1項)。理事長は経営委員会にも加わる。任期は3年である(日本中央競馬会定款第10条第1項)。
・副理事長は経営委員会の同意を得て理事長が任命する(日本中央競馬会法第11条第2項、日本中央競馬会定款第8条第2項)。副理事長は理事長の補佐や事務の掌理等を行う(日本中央競馬会法第10条第2項、日本中央競馬会定款第8条第2項)。任期は3年である(日本中央競馬会定款第10条第1項)。
・理事は経営委員会の同意を得て理事長が任命する(日本中央競馬会法第11条第2項、日本中央競馬会定款第8条第2項)。理事は理事長及び副理事長の補佐や事務を掌理等を行う(日本中央競馬会法第10条第3項)。任期は2年である(日本中央競馬会定款第10条第2項)。
・監事は農林水産大臣が任命する(日本中央競馬会法第11条第1項、日本中央競馬会定款第8条第1項)。監事は業務の監査を行う(日本中央競馬会法第10条第4項、日本中央競馬会定款第8条第5項)。任期は2年である(日本中央競馬会定款第10条第2項)
「Wikipedia」より

農林水産省が監督しているので、役員の選定についても農林水産省が絡んでいます。そして現在の副理事は農林水産省からの天下りの様子。

政府が絡んでいるから、それが問題ということは言い切れないとは思いますが、問題があってもなにか裏の事情でその問題がなかなか解消されないというのは、政治ではよくある話な気がします。まぁ、民間でも大きな組織は色々しがらみがあってスピード感ないときはよくあるけれど。

やはり、権力を握った人は、そこに関わる人(競馬会の関係者、競馬ファン)の幸せを最大にすることを目標に行動して欲しいし、そのために広い視野が求められると思います。今のシステムを変えようと思うと、それに伴って不利益を被る人もいると思うけれど、短期ではなく長期、一部よりも大勢にとってそれがプラスになることであるのならば、実行する必要があると感じます。

やっぱり、多くの人を楽しませることができる仕組みには価値があると思うから、その仕組みを大事に運用して欲しいです。

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