家電市場はまだ伸びる!?

 

年の瀬ですね。今日は、年内最終出勤日ということで、最近いまいち調子が出ない仕事を納めてきました。さて、生活費を稼いだことだし、時間がある年末年始は、個人的な仕事(ブログ)を粛々と進めていこうと思います。

今日は、気になっている記事について少し考えてみます。(考えるシリーズは、なるべく多く発信したいのですが、すぐ思考停止するんでねぇ・・・困ったものです。)

先日の日経新聞にこんな記事が載っていました。

アイリスオーヤマ(仙台市、大山健太郎社長)が白物家電事業を拡大する。2013年2月に大阪市内に研究開発拠点を新設、同地域に拠点を持つ電機大手などから技術者を積極的に採用する。製品開発力を高めることで、数年以内に洗濯機など主要家電製品の投入を目指す。12年に約165億円だった売上高を13年に倍増の300億円まで伸ばす。(12月4日付 日本経済新聞 抜粋)

 

この記事を読んだとき最初に思ったのは、「家電業界といえば、PanasonicもSharpもめっちゃ苦しんでいるところじゃん。なんでそんなところに参入するんだろ?しかも、アイリスオーヤマって名前知らないし…」みたいなことでした。。しかも、記事には、売上を1年間で倍にするってめちゃめちゃ強気だし…。

ここで少し考えてみました。この記事が正しいとすると、これが可能になるシナリオは・・・

    1. PanasonicやSharpのような大企業の経営手法?開発手法?などが機能しなくなってきていて、自爆している。
    2. アイリスオーヤマって実は、PanasonicとかSharpを超えるすごい会社だった。
    3. 実は、家電業界ってそんなに悪い市場じゃない。

 

とかが考えられますかね。

これを確認するには、情報を集めるしかないので、少し情報を集めてみました。PanasonicやSharpについて調べるのはあまり気が進まなかった(本は沢山出ていそうだけど、なかなかあれだけ大きな企業になるとなにが問題なのかというのを発見するのは難しいかもと・・・)ので、今回はアイリスオーヤマについて調べてみることにしました。Amazonで良い本がないかな~と探していると発見しました。ポチッっと発注です。

この本の中には、大山社長が若くして社長になってから、ピンチを乗り越えながら、自社をどうやって大きくしてきたのか、その経緯が結構具体的に書かれています。そもそもアイリスオーヤマのメインの事業は、ホームセンターなどに置かれている園芸用の商品や、収納用のケースなどが有名のようです。

本を読みつつ、この会社どこがすごいのかなぁと読み進めていると、こんなとこがすごい!って思いました。

色々あるんですけど、「徹底的にユーザー中心で考える」ということなんです!

少し具体的にあげてみると・・・

    1. 大山社長が市場環境を把握しようとする姿勢が素晴らしい!マーケティングを大事にしている!(どっかの社長にもぜひ真似してほしい!)
    2. 自社で提供できるかどうかではなく、生活者が必要なものを提供する。(我が社の領域は、この範囲って決めつけてしまっている社長さんいませんか!?)
    3. すごい柔軟。(だからピンチがビッグチャンスになるんだろうなぁ。)

 

この本の150ページにこの特徴を象徴している文がありましたので、ちょっと引用します。LED電球の話です。

大手電機メーカーは、当初一万円で売って、次は六千円で売るというように、はっきりいって、すべてプロダクトアウトの発想であり、積み上げ方式でした。それに対して、当社はユーザーインの発想で考えました。爆発点がどこくるかといえば、一年で電気使用量と相殺して元が取れる商品と作れば、これは誰でも買い換えます。いまついている電球を外してでも取り替えるに違いない-これが我々にとっての爆発点だと考えました。そこで、最初から二千五百円という値ごろ価格を想定したのです。「ピンチはビッグチャンス P150」

 

これを読んだとき、「この会社いい会社だなぁ」って素直に思いました。私は、よく営業するときに、「このサービスってこんなにすごいんですよ!」ってよく言っているような気がしますが、そのサービスがいいかどうかはお客さんが決めることであって、お客さんにとってのメリットを説明するってことが大事なんだという営業提案の基礎を改めて学んだ気がしました。

この本を読んで、なんでアイリスオーヤマが家電業界に参入するのかを改めて考えてみると、彼らは、今まで培った徹底的なユーザー中心発想で、新しい「こんなの欲しかった」って家電を開発できるという自負があるということなんでしょうね。

アイリスオーヤマは、大手企業を退職した技術者を採用して家電事業を拡大しようとしているという話もありました。日本の雇用改善にも一役買っているとは、すごいよね。とか思っていると、応援して株を買ってみたいなと思って調べてみると、なんと…上場してませんでした。。残念。

さて、なんとなく、アイリスオーヤマの特徴で家電産業に参入しようとしているんだなというのは、分かったのですが、もう少し調べてみると、もう1つ重要な情報を見つけました。アイリスオーヤマが参入しようとしているのは、「白物家電」市場ということです。

日経新聞のWEB版に「テクノロジー編集部BLOG」というのがありまして、それの2012年8月29日の記事に「白物家電メーカー、「幸せな時期」に何をすべきか」というエントリーがあります。その一部を抜粋すると・・・

最近のニュースでは大手電機メーカーの苦境ばかりが伝わってきますが、白物家電に限ると大幅な赤字を計上しているメーカーはなく、他の部門より相対的に良い業績となっています。12年3月期の決算によると、シャープの白物家電部門の営業利益率は10%。パナソニックは5.3%、三菱電機も2.6%です。東芝や日立製作所はやや苦戦していますが、それでも営業利益率1%前後で黒字を確保しています。13年3月期は5社とも白物家電部門で増収増益を見込んでいます。

 

とのことらしいのです。家電業界が苦戦苦戦と言われていますが、実は白物家電はそれほど悪くなっていないみたいです。そこに目をつけているのも、市場をよく把握しているってことなんだろうなぁと思うです。

という訳で、今後のアイリスオーヤマに注目ですよ~。

ユーザーインは上手く経営していくという意味では、必要なものだと感じます。でも、心の奥底では、ユーザーインではiphoneのようなイノベーションは起きないんじゃないかと思ったりもします。なぜなら、ユーザーインでは、ユーザーが気づかないような商品は開発することはできない感じるからです。だから、PanasonicやSharpがseeds中心で、我々が気づかないような商品を開発してくれることもまた楽しみにしている自分もいたりします。

という訳で、今後の家電業界全体に注目です!

ではでは~。

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