自動車メーカー株でドルコスト平均法を考える。

株式投資

前回の記事で現状の投資方針は、割安&高配当銘柄をドルコスト平均法で買うことに決めました。そして、よりリスクを避けるという意味で、いくつかの業界に分散して企業を選定し、毎月一定額を購入していこうと思います。幸いなことに現在は単元未満でも株が購入できて、しかも配当ももらえるということなので、幅広く積み立てることができれば、年率5%も夢ではないかなとか淡い期待をしています。

さて、今回は株を買いたい企業を探します。選別条件を決めて、それに当てはまる企業を調べていきます。果たしてどんな結論が待っているのかな。

企業の選別条件を決めよう。

さて、まずはどのように企業を絞っていくかを考えます。割安かどうかを知るために、PERとPBR。そして配当を知るために、配当利回りをみていきます。それぞれの数字の目安は、以下の通りです。この範囲に当てはまる銘柄を探していきます。(必ず当てはまらないと買わないという訳ではなくざっくり目安で考えています。)

PER

15倍以下

PBR

1.5倍以下

配当利回り

3%以上

上記に当てはまる企業を調べました。結構あります。その中でも配当利回りが高く、認知度も高い「日産自動車」を今回は選択しました。では、日産自動車の経営状況を調べていこうと思います。

日産自動車の配当利回りは、5.49% ! 

日産自動車の株に関する情報を調べてみました。配当利回りが現時点(2018年8月)でなんと5.49%。これは魅力的です。PER、PBRとも先ほど決めた数字をクリアしています。経営状態をチェックするために売上、財務データを日産自動車の経年推移と他メーカーとの比較(2017年度)でみていこうと思います。分析するにあたって、以下の本を参考にしました。私のような財務初心者が読んでも分かりやすく書かれていて助かりました。

売上関係のデータチェック

まず、売上関係の数字をみていきます。業績がよい(改善する)に越したことはないのですが、配当狙いのため、営業成績がトントンでも数字が悪くなければ積み立ての対象にしようと考えています。さて、現状を確認していきます。(以下の数字は、KZOが決算書をもとに計算したものです。)

営業利益率(本業で稼ぐ力)

日産自動車の経年数値

年度 2015 2016 2017
営業利益率 6.5% 6.3% 4.8%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
営業利益率 4.8% 8.2% 5.4%

純利益率(営業外の収入・支出を含めた最終利益)

日産自動車の経年数値

年度 2015 2016 2017
純利益率 4.5% 6.0% 6.4%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
純利益率 6.4% 8.5% 7.3%

ROA(資産をどれだけ効率的に動かして利益を得ているかを示す数字)

日産自動車の経年数値

年度 2015 2016 2017
ROA 3.2% 3.8% 4.1%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
ROA 4.1% 5.0% 5.8%

日産も悪くはないけど、光るトヨタ。

日産自動車は、営業利益率が経年で減少傾向(2018年度1Qも約4%)かつ他社と比べても低いです。ふと思うと、以前車のディーラーと価格交渉した際にトヨタは値引きしてこないのに対して日産は大きく値引きしたのを思い出します。トヨタはトヨタブランドで購入する方も多く、他社に比べてそこまで値引きする必要がないのかもしれません。一方のトヨタの営業利益率は、8.5%。先ほどご紹介した本の中に、製造業の営業利益率の平均値は4.6%と記載があったので、それと比べるとトヨタの営業利益率の高さは光ります。もちろん、日産の4.8%という数字も悪くないので、今後の四半期決算に注意していこうと思います。

純利益率は、日産自動車の経年はどの年も営業利益率を上回っているので、本業を引っ張るマイナス要素をもっていないので今は安心できます。他の自動車メーカーも同様に純利益率が営業利益率を上回っていて、安心感があります。さすが日本が誇る自動車産業ですね。

最後にROAですが、日産自動車の経年推移をみると徐々に上がってきています。ただ2017年度の純利益は、米国法人税等の減少による純利益の増加なので、この数字を鵜呑みにはできないかなと思います。一方トヨタやホンダは、5%を超えていてここでも他社に比べて日産は少し見劣りするなと思います。

営業に関する数字をみると、日産自動車は悪くはないけど、他社に比べると見劣りするという結果です。その分、PERやPBRが低いので他社と比べて市場の期待値が少し低くなっているということでしょうか。

続いて財務状況をみていきます。

財務関係のデータチェック

続いて財務関係のデータです。こちらは、営業データよりも大事だと考えています。財務状況を確認して投資をするかどうかの判断をしていこうと思います。(以下数字は、KZOが各社の決算書の数字をもとに計算した結果です。)

自己資本比率(負債と純資産のバランスの確認)

日産自動車の経年数値

年度 2015年度 2016年度 2017年度
自己資本比率 29.6% 28.1% 30.3%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
自己資本比率 30.3% 39.6% 42.6%

流動比率(短期負債を返済する能力の確認)

日産自動車の経年数値

年度 2015年度 2016年度 2017年度
流動比率 158.9% 162.5% 173.2%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
流動比率 173.2% 102.0% 123.1%

固定比率(固定資産を純資産でまかなえているかの確認)

日産自動車の経年推移

年度 2015年度 2016年度 2017年度
固定比率 128.9% 134.7% 124.2%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
固定比率 124.2% 161.4% 150.9%

固定長期適合率(固定資産を純資産+固定負債でまかなえているかの確認)

日産自動車の経年数値

年度 2015年度 2016年度 2017年度
固定長期適合率 62.5% 61.2% 58.9%

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
固定長期適合率 58.9% 98.9% 90.5%

 

インタレストカバレッジレシオ(負債の返済能力の確認)

日産自動車の経年数値

年度 2015年度 2016年度 2017年度
インタレストカバレッジレシオ 31 52 45

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

メーカー名 日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
インタレストカバレッジレシオ 45 86 64

キャッシュフロー計算書(資金繰りの確認)

日産自動車の経年数値

  2015 2016 2017
営業キャッシュフロー (前期より増加) (前期より減少)
投資キャッシュフロー (前期より増加) -(前期より減少)
財務キャッシュフロー (前期より減少) (前期より減少)

他自動車メーカーとの比較(2017年度)

  日産自動車 トヨタ自動車 本田技研工業
営業キャッシュフロー
投資キャッシュフロー
財務キャッシュフロー

日産自動車の財務状況は許容範囲も注視していく必要がありそう。

日産自動車は、まず自己資本比率が低めです。日本の製造業の平均が45%ぐらいとのことなので、30%は結構低い数字です。また他社と比べても低いので、自動車業界の中でも低いといえます。また、キャッシュフロー計算書をみると、改善してきているものの、財務キャッシュフローが今回調べた3社の中で唯一プラスになっており、借金が増えています。

ただ、流動比率、固定比率、インタレストカバレッジレシオの数字は良好で、すぐになにかあるという印象は受けません。すごく安全という感じはしませんが、危ないという印象も受けないので、注視しながら投資していってよいのかなと思っています。

【結論】日産メイン、トヨタサブで積立スタート。

結論としては、しばらく日産自動車の株をドルコスト平均法で購入しようと思います。自動車メーカーの中で営業関係の数字は他社と比べ見劣りしますが、悪いわけではなく、財務状況も悪くありません。この状況で配当が5%以上つくのはやはり魅力的です。ただ、営業利益率が下がってきているのは確かなので、今後のこの流れが続くとなると株価にも影響してくると思うのでそのあたりの数字と財務状況の変化に気を配りつつ積み立ててみていいかなと思っています。この配当利回りの高さは、もしかすると、配当目当ての投資家から資金調達することなのかもしれないですね。。(わたしはまんまと戦略にはまっているのかな。)

そして、トヨタ自動車も魅力的です。配当利回りは実績をみると3%程度つきそうです。営業財務状況ともに日産自動車よりも魅力的で投資したいなと思います。ただ、現在の株価が多少高く感じるのと、100株(単元株)購入しようとおもうと70万も必要なので、端株でちょこちょこ積み立てていこうかなと思います。今回しっかり数字をみたことで、ある程度安心して投資できるかなと思います。このやり方で投資先を少しずつ増やしていきます。

ではでは今日はここまでにします。次回は別分野の企業を調べていこうと思います!

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