シリアが酷いことになっています。正直なぜああいうことになっているのかニュースを聞いていてもよくわからないのですが。アメリカとイギリスは、化学兵器を使用したのは政権側とみて、空爆をするつもりのようですが…。証拠がないのに攻撃するというのを聞くと、イラク戦争を思い出しますね。
中東に関する出来事は、以前にも少し書きましたが、メディアから入ってくる内容だけ聞いていても「なんでそういうことが起きるのか?」という点については、さっぱりわかりません。だから、本を読みつつ理解を深めていこうと思っているテーマです。
今回は、パレスチナ問題について本を読んで学んだ内容を書いておこうと思います。パレスチナ問題ときいても、なんとなく長く続いている問題という意識や宗教対立かな?ぐらいで、詳しい内容については、恥ずかしながら正直さっぱりでした。ただ、私の周りの人にパレスチナ問題について話してもたぶん話ができる人がかなり少ないのもまた事実だと思います。
私が学んだ内容は、今回は以下の2冊です。「中東の考え方」は以前にも少し書きましたが再登場です。もう1冊は、「イスラエルロビーとアメリカの外交政策1」という本です。今回は、パレスチナ問題がなんなのか?なぜ起きたのかという視点を「中東の考え方」から探りたいと思います。
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まず、パレスチナ問題ってなんだ?という話ですが、私の理解で簡単に言うと、イスラエルとイスラエルがパレスチナにくる前にいたアラブ人の間での領土争いのことです。
なんでこの争いが起きたのかということは、「中東の考え方」に書いてあります。引用しつつ書いていこうと思います。
大英帝国が第一次世界大戦に勝つために、オスマン帝国を内部から切り崩そうとしてメッカの太守、フサインを後押しし、彼らに「アラブの独立」を約束する(フサイン・マクマホン協定)一方で、ユダヤ人に建国の約束をし(バルフォア宣言)、実際にはオスマン帝国領土を英仏露の三国協商で分割統治する条約(サイクス・ピコ条約)を結ぶ、という、三枚舌外交を展開したことはよく知られている。
「中東の考え方」より
これは、アラブ側、ユダヤ側にいいこと言って、結局は英仏露で支配しようとしたと。簡単に言えば、英仏露が「だました」ってことですよね。私はここがこの問題の起点だったし、あまりに大きな間違いだったと思う。
その後、ユダヤ人はバルフォア宣言にしたがって、パレスチナに移住し始めます。でも、パレスチナにもともと住んでいたアラブ系住民はそんなこと知らない。この点については、以下のように説明されています。
何が理不尽かといって、当のパレスチナに住んでいたアラブ人からしてみれば、「ユダヤ人の国を作る」などといった約束は、ヨーロッパが彼らの事情で行ったにすぎなかったことだ。そんな無責任な約束事のツケが自分達の生活に降りかかってこようとは、まったく晴天の霹靂だった。一九四八年のイスラエル建国は、ヨーロッパから新天地を夢見たユダヤ人達には歓喜の出来事だったが、パレスチナに住み、そこを追い出された人々にとっては、「ナクバ」、つまり大厄災に他ならなかった。
「中東の考え方より」
今自分が住んでいる場所が、明日から違う人の住む場所だと第三者に勝手に決められてしまうということだから、そりゃまぁびっくりするし、簡単には出て行かない。パレスチナに住んでいる人にとっては、いたって普通の行動だよね。そこで、イスラエル側は暴力に訴える(しかなかった)ということだったのだと思われます。まぁ、理屈がないんだから、強制的にやるしかないということか。。。
少し本線から外れますが、なぜ、ユダヤ人は移住しなければならなかったのかについては、以下のような内容で書かれています。(私が本の内容を簡単にまとめました。)
近代の思想では、例えばフランスに住む人は、フランス人といったように、人は、国に属すると考えられたようです(ナショナリズム)。その中で、ユダヤ教の信者を単なるユダヤ教信者ととらえるのではなく、何か別のものとして扱うようになり、差別、迫害が進みユダヤ教信者の立場がなくなっていきます。そして、ユダヤ教信者はユダヤ教信者のための国を作るべきという考えが進みます。この考えが進む中で、大英帝国から国を作ってあげると言われたら…。
この点を考えると、ユダヤ人も迫害を受けるという悲惨な経験があるので、これを聞くと、ユダヤ人がパレスチナで行ってしまった行為も部分的に許されるのかと思ってしまったりする部分もあったりします・・・。
でも、与えられた場所は、ユダヤ人に明け渡す話がついている訳ではない場所。そりゃ、問題になるよ。誰でもわかるよ。だから、やっぱり問題だったのは、当時の大英帝国ではないだろうか。ただ、大英帝国はそこにいる人のことなんてなんも考えてなかったんだよね。自分たちにとって上手くいけば、利用される人が苦しんでも仕方がない。実際がどうだったかは知らないけど、この結果をみると、そう思われてもしかたないと思う。
日本が第二次世界大戦の責任をとれって中国と韓国に言われているように、パレスチナもイスラエルもイギリスに文句を言うべきではないかな。「あんたがあんな嘘つくからこんなことになってんだぞって。」文句⇒テロという形で顕在化しているということなのかもしれないけど。
歴史は酷です。。。問題が起こった国に生まれれば、否応なくそこにある問題に飲み込まれていく。小さな子供だって。でも、先進国に生まれればたとえその事件の元凶になった国であろうと、普通に生きていける。。
やるせないです。。
だからって、自分がなにかするわけではなく、ただただ事実を知って、自分の国の現実に逃避するだけなのです。。
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