ベネッセホールディングスは、先日の発表した決算後、出来高を伴い窓を開けて売られました。
なにがあったのかなと先日の決算に関するニュースをネット検索するとこんなのが出てきました。
ベネッセHD、今期経常は27%増益、10円増配へ
ベネッセホールディングス <9783> [東証P] が5月12日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比66.3%増の154億円に拡大し、23年3月期も前期比26.6%増の195億円に伸びる見通しとなった。
2022年5月12日 株探ニュース
同時に、今期の年間配当は前期比10円増の60円に増配する方針とした。
直近3ヵ月の実績である1-3月期(4Q)の連結経常損益は41.7億円の赤字(前年同期は41.7億円の赤字)に赤字幅が縮小し、売上営業損益率は前年同期の-3.2%→-3.0%とほぼ横ばいだった。
この内容をみると、今期の利益は前年比増、会社が予想する来期の利益も増加見込みです。そして増配が発表されています。ただ、直近4Q実績は昨年と同額の赤字。
期待ほどの決算内容ではなかったという理由で売られたと思われますが、現在の株価は賭けてみておもしろい価格だと考えています。
そもそもベネッセホールディングスって何やっている会社かというと…
わたしが真っ先にイメージするのは、「進研ゼミ」です。
わたしが子供のころは『シーンケンゼミチャチャ♬』という曲が有名で、当時はまだベネッセではなく、福武書店という名前で運営されていたようです。
付録でついている実験キットが欲しくて親にねだったものの購読の許しは得られなかったのはかなしい思い出です。その分いま娘には楽しんでもらっています。娘の友達にも進研ゼミのグッズをもっている子が結構いるようなので、昔と変わらず存在感はありそうです。
ただ、現在のベネッセは、進研ゼミのような教育事業に加え、介護・保育事業やベルリッツの運営もやっているようで、伸びているのは介護事業とのこと。(先日ベルリッツは売却が決まりました)
今後のベネッセをイメージすると、国内の教育事業は少子化で厳しく、介護・保育事業は引き続き需要が高まりそうということで可もなく・不可もなくなイメージですが、現在の株価が安ければ買ってもよいと思うので、データをチェックします。
まずは、長期チャート。
ここ10年ほど横ばいから右肩下がりです。
5000円に到達にしていた時期から考えると、現在の株価はずいぶん安くなっています。ただ、月足は下落トレンド中なので、損切りライン(直近安値1950円)を割り込んだら速やかに損切りをする必要を感じます。
続いてここ数年の業績推移を確認します。
2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
1. 期間中株価(高値・円) | 4,540 | 4,190 | 3,255 | 3,230 | 2,814 |
2. 期間中株価(安値・円) | 3,330 | 2,578 | 2,134 | 1,959 | 2,122 |
3.1株あたりの経常利益(円) | 90 | 118 | 163 | 90 | 150 |
4. 高値PER(1÷3・倍) | 50.3 | 35.3 | 19.9 | 35.8 | 18.7 |
5. 安値PER(2÷3・倍) | 36.9 | 21.7 | 13.1 | 21.7 | 14.1 |
6.1株あたりの純資産(円) | 1,708 | 1,708 | 1,710 | 1,707 | 1,523 |
7. ROE(経常利益) | 5.3% | 6.9% | 9.6% | 5.3% | 9.9% |
8. 高値PBR(1÷6・倍) | 2.65 | 2.45 | 1.90 | 1.89 | 1.85 |
9. 安値PBR(2÷6・倍) | 1.95 | 1.51 | 1.25 | 1.15 | 1.39 |
上記数字からいくつかわかることがあります。
- ここ数年の安値は2000円近辺であること。
- 1株あたりの経常利益は2023年3月期(予想)を含め上昇傾向であること。
- PBR(下降)=PER(下降)x ROE(デコボコ総じて横ばい)であること(2022年3月期は純資産減少によりROEが他の年と単純比較できない点に注意)
これらの情報から株価下落の原因は、PERの低下だと思います。
今後PERが上がる可能性があるのかわかりません。ただ、『株価=PER x 1株あたりの利益』で考えると1株あたりの利益が上昇すれば株価は上昇します。会社や四季報が来期(2023年3月期)1株あたりの利益が改善されると予想していることを考えると、株価が上昇する可能性はあります。
また、2022年3月期の年間配当が10円増配されて年間配当が60円になると発表されました。株価2000円のときの利回りは3%です。この配当を目当てに株を買う人も出てきそうです。
魅力的な情報がある一方で、自己資本比率が3割ほど、配当性向が高いといった気になる点もあります。ただ、いままで見てきた情報から考えられるこれから株価が上昇する期待と1950円で損切りすることを天秤にかけると、これから上げる期待の方が高いです。
昨日(6月10日)の終値は2,069円でした。1単元購入して1950円で損切りすると約1万円マイナスです。これを覚悟してすすめば、それほど悪くないギャンブルだと思っています。
でも、わたしの色眼鏡は今日も曇ったままです。(おわり)
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