本を読みました。
僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
- 作者: 荻上チキ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: Kindle版
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本の内容は、現在の日本社会がどうして今のような状況になったのかをデータを使いながら解説し、現状の問題に対してどのような選択肢があって、私たちがなにができるのかといったことが書かれています。
データを使いながら、丁寧に説明がされているので、内容が腑に落ちました。まさに、勉強になったなぁという感じです。
内容はどれも大事だなと感じるものだったのですが、個人的に以下の2点について特に印象に残りました。
1. 経済成長は必要であるということ。
昔から、「なんで経済成長が必要なんですか?」と聞かれたら答えられないなぁと思っていたのですが、1つの納得できる理由が書かれていました。
それは、少子高齢化が進む日本では、社会保障費のような継続的に必要なお金が増え続けています。その費用は税金や国債で賄われているようなのですが、税収が増えないと国債を発行し続けないといけないので、国の借金が膨らむ一方になる。国の借金が膨らみ続けると、最終的には、国がお金を集められなくなり、国が行っているサービスが破綻してしまうということにも・・・。
借金を増やさない方向で進めるのならば、サービスを削っていく方向で動いていくことになるので、限られた税収を奪い合うことにつながっていく。。
こういう状況を知ると、経済成長は必要なんだよなぁと思いました。
日本はかれこれ20年くらい時が止まった感じになっていますが、同じ先進国も経済成長している国はあるみたいなので、日本だけができないというわけではないということも書かれていました。
2. 税金の使い道はしっかりチェックしないとダメ。
意味あるものに税金を使ってもらわないとダメという話。なんとなく、国の不祥事は色んなものがあって、「もう飽きた」というある種のあきらめた感がありましたが、この本を読んで、事態は結構深刻で「もう飽きた」とか言っている場合ではないのかもしれないと思うようになりました。
まとめると、経済発展させて、税収増やして、効果的に税金を使ってもらう仕組みを作ってもらうように少しでも政治参加しないとダメなんだなってことがよくわかりました。
以下考えてみました。
んで、わかった上で少し考えてみたのです。
日本の税収を増やすには、確か、日本国内発のビジネスで売り上げを増やす必要があるんです。海外で売り上げた分は、基本的にその国に納税をするはずなので。
でも、日本の人口は減少傾向で、国内需要が全体的に頭打ちの中で、海外に進出する方向で動いている企業の数が増えていますよね。私の知り合いの中でも、海外で働いている人が増えていると感じます。
そして、今後の流れは、日本で働くというよりも、海外を含めて働き場所を探していける人が生きやすい人なのではないかなと思っています。その証拠として、英語を勉強する人が増えているし、先日テレビでやっていましたが、子供の教育のためにシンガポールに住むといった人も出てきたりしています。
こういう流れが主流になったら、日本から人や企業が出て行ってしまい、日本の税収増えないですよね。
でも、人が仕事を選択するときに、国の税収を増やすために国内で仕事をする!という気合の入った人は少なくて、家族や自分をまず守れるとか、裕福になれたり、成長できたりといった合理的な選択をするのが一般的だと思うのです。
また、企業が仕事をするときには、利益が上がるかどうかが基本で、国の税収のためにうんぬんなどと考える企業はないですよね。
みんなが合理的な選択をするとなると、なんとなくですが、税収は増えず・・・になりそうです。
こうして考えてみると、個人レベルで国の経済成長のために日本の産業を伸ばそうと頑張ってみるというよりも、「日本にいた方が得だよね」って感じてもらうことが大事なのかなと思います。
日本人だけなくて、海外の企業や外国人にとっても日本にくるといいことあるよねって思ってもらうこともまた大事なのだと感じます。
結構…難しい状況にあると思うのです。
若者の酒離れならぬ、日本人の日本離れになってしまわないだろうか・・・。
日本好きですよ、もちろん。日本酒も好きです。
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